俺がお前を夢の舞台へ




病院に着くと、勇翔は慣れない様子で辺りをキョロキョロと見回す。


「勇翔、こっちこっち」


エレベーターの上ボタンを押し、勇翔を手招きする。


1階のロビーは広々としていて、病院というよりホテルのような綺麗さがある。


「アイツ、いつ退院できんの?」


まだ7階にいるエレベーターを待つ。


「…わかんない」


退院できる日が来るのか、今身体の調子はどうなのか。


蒼空はあまり何も話してくれない。


「…思ったより深刻なんだな」


「……うん」


もし、もっと早く病気に気づいてあげられていたら。


もし、蒼空の無茶を止められていたら。


きっと蒼空はこうならなかった。


無茶して夢を追わせてしまったから、こうなってしまった。