「蒼空さん対策じゃないですか?去年からだいぶ警戒してる感じでしたし」


去年の夏の敗因は、蒼空が敬遠されまくったからだと言っても過言ではない。


蒼空なら打てていた、蒼空なら点が入っていた、そんなシーンが多々あった。


蒼空の後ろで打っていた先輩は、屈辱を味わい続けたまま夏を終えた。


「…今年は勝ちたいね。あんな悔しさ、二度も味わいたくない」


勝ち進めば必ず桜森に当たる。


そして、必ず勝たなければならない。


その糸口を今度の練習試合で見つける。


桜森がそのチャンスをくれたんだ。


「絶対勝ちましょう!」


もう桜森には負けない。


一丸となって戦うんだ。