俺がお前を夢の舞台へ

「友翔くーん!どこー?友翔くーん!」


思い当たるところは探し回ったけど、友翔くんには会えずじまいのままアパートに戻ってきてしまった。


時刻はもう8時を過ぎている。


「どうしよう……私のせいだ……っ」


私がボーッとして鍵を掛け忘れたから…っ。


とにかく勇翔に電話しなきゃ…。


怒られるのが目に見えてるけど、私1人じゃもうどうしようもない。


プププ…プププ……

プルルルル…プルルルル…


スマホを握る手が汗で滑る。


「早く出て…勇翔……」


プルルルル…プルルルル……


プツッ


「あっ…切られた…」


バイト中かな…。


でもそんなこと気にしてる場合じゃない。


友翔くんがこんな時間にいなくなってしまった。


勇翔が出るまで掛け続けなきゃ。


何度も何度もかけ直す。