俺がお前を夢の舞台へ

勇翔は力なく笑った。


まだ野球に未練があると言いたげな、悲しい瞳で。


「知り合いが最低限の金は工面してくれてるから生活できてるけど、バイト掛け持ちで働かないと友翔が野球をできなくなる。そんなカツカツの生活をしてるなんて、彩絢に知られたくなかった」


……そう…だよね…。


だから勇翔は私と距離をとろうとしてたんだ…。


なのに私…。


「ごめ─」


「謝るな。俺のプライドを守るために彩絢を遠ざけた。俺が悪い。

コンビニで偶然会ったときも、バイトしてることが彩絢に知られたのがショックで怒鳴りつけた。自分のプライドを守るのに必死だったんだ。

しょうもない男でごめんな」


……っ。


「しょうもない男なんかじゃない!勇翔は素敵な人だよ。弟のために自分のことを犠牲にして頑張ってきたんでしょ…?すごいよ勇翔は…っ」


簡単にできることじゃない。


勇翔は、まだこんな歳で社会と戦ってきたんだ。


お金がどうとか、そういうことを小さい頃からずっと考えて…。