俺がお前を夢の舞台へ

…そんなこと…。


だって勇翔は…少年野球チームに入っていた。


野球をできない環境って何……?


「何があったの…?」


自分の声も震えていた。


テーブルの上で震える勇翔の拳に呼応するかのように。


「…俺の家はもとから母子家庭だった。8つ下の弟と3人で普通の暮らしをしてた」


知られざる勇翔の過去。


一緒に笑いあっていたあの頃にも、知らない勇翔の一面はあった。


それがこれ…。


勇翔が母子家庭で、弟がいただなんて知らなかった。


「だけど、俺が小学校を卒業する数週間前に、お袋が急死して…」


え……。


急死……?


お母さんが…?


卒業間際の勇翔を思い出しても、特にいつもと変わらない様子だった。


いつも通りヤンチャしてて…廊下で先生に怒られてて…。


ずっと楽しそうにしていた。