俺がお前を夢の舞台へ

一言吐き出されるたびに、言葉に重みが増していく。


積もっていく勇翔の心の声。


初めて聞く勇翔の本心。


それを目前にして、自分の手が震えていることに気づく。


「…俺は、無理だったと思う。いくらセンスがあっても、上手くても、野球が続けられる環境にいなかったら野球選手にはなれないし甲子園にも行けない」


震える手をテーブルの下にそっと隠す。


「星矢碧に限った話じゃない。世の高校球児もアマチュアもプロも、結局環境に恵まれたから…だから野球ができる」


勇翔の声は少しだけ震えていた。


そっと目を閉じ、紙ナプキンをギュゥと握りしめている。


「俺にはその環境がない。野球を続けたくても続けられなかった」