俺がお前を夢の舞台へ

勇翔は遠い目をしている。


過去を嫌がるわけでも、蒼空を嫌うわけでもなく、想い出を偲ぶような優しい表情に見えた。


「その大会が始まる数日前に、蒼空から言われた。“いつまでクソみたいな球投げるつもりだ。負けたら承知しねぇからな。俺の代わりが務まるのはお前だけなんだから”って」


蒼空らしいな…。


口をへの字に曲げ、目を横に逸らしながら言っている蒼空が簡単にイメージできる。


「アイツの負けず嫌いは病的だったからな。それなのによく俺を認める発言をしてくれたよな」


勇翔の表情がみるみる穏やかになっていく。


こんな勇翔はみたことがない、というくらいに。


まるで過去に戻ったようだった。