「うぅ…っ、う…っ」


勇翔にあんな風に怒鳴られたのがショックだった。


心の底から鬱陶しいと思っていそうな目つきと、苛立ちを含んだ刺々しい言葉。


“勇翔のことが気になるの…っ!”

“ただの友達以上に大切な幼なじみだと思ってる”


なんてことを言ってしまったんだろう。


勇翔はきっと…この言葉に腹を立てたんだ。


幼なじみだと思ってたのは私だけ…。


勇翔はもう私のことなんて何とも思ってないんだ。


むしろ、めんどくさい女なんだ。


「うぅ…っ」


“うぜぇんだよ!!”

“俺に構うなっつってんだよ!!”


あの恨みが籠った目が忘れられない。


“お前を見てるとイライラする”


本当にそう思ってるんだろうな、と分かる口調だった。


勇翔に嫌われた。


もう、ダメなのかもしれない。


勇翔と関係修復を…と思っていたけど、私が台無しにしてしまった。


勇翔のプライベートに土足で踏み込んでしまった。


「何してるんだろう…私…っ」


涙は止まらなかった。


ずっとずっと、ベッドにうずくまって泣き続けた。


ドアの向こうに蒼空が立っていることにも気づかずに─。