アイスを食べたらすぐに帰ろうとする珠璃に慌てて、その手を掴んでしまった。


目的が果たされてないのに、待ってくれ。



「な、なんなのもう! 気になるじゃん」


「ごめん」


「謝らなくてもいいけど……」


「………」


「だから、黙らないでよ」



咄嗟に掴んでしまった手は離されることなく、珠璃はまた隣に腰を下ろした。


両手で、俺の手を包んで、じっと目を合わせてくる。



「ほら、ちゃんと聞くから、言ってよ」



俺をドキドキさせるには十分、いや破壊力がすごすぎて、何を言うのか忘れてしまいそうになる。



しっかりしろ。


言うんだ。 ……言え!



「俺といっしょに花火大会いこう」


「……へっ」



珠璃は一瞬目を丸くしたあと、声あげて笑った。