闇夜ヨルの恐怖記録2

☆☆☆

翌日、アパートの玄関を出るとタカシが待っていた。


「もしかして俺を待ってたのか?」


慌ててかけよるとタカシは頷く。


2人で肩を並べて学校へ向かいながらも、話題に出てくるのは猫殺しの犯人のことばかりだ。


「絶対に捕まえたい。じゃないとあの猫たちはずっと成仏できないことになる」


タカシの言葉にクニヒコも頷く。


今日だって猫の夢にうなされて起きてしまったのだ。


あのアパートにいる間中あんな目にあうのはごめんだった。


「だけど犯人にたどり着くものがなにもないんだ」


「そうだな……。顔は見たんだろう?」


「いや、サングラスとかマスクで見えなかったんだ」


クニヒコは悔しそうに下唇を噛み締めた。


もう少ししっかり男の顔を見ておくべきだった。


「じゃあ犯人はかなり用心してたみたいだな。猫殺しのためにアパートまで借りてたんだもんな」


クニヒコは頷いた。


そんな相手が油断するとも思えなかった。


ああでもないこうでもないと話しながら歩いているとあっという間にC組にたどり着いていた。


一緒に登校してきたクニヒコとタカシを見てハルカが驚いた表情を浮かべている。