どっちにしても猫をほっておくことはできなくて、思い切って押入れの襖を開けた。
その瞬間10匹ほどの猫が勢いよく押入れの中から飛び出してきたのだ。
「うわぁ!」
驚いてその場に尻もちをついたクニヒコの横を、猫たちが走り抜けていく。
「ちょっと待って、どこに行くんだよ!」
部屋の中を荒らされては困ると、どうにか立ち上がって猫たちの後を追いかけた。
しかし部屋を出た途端、猫たちの鳴き声は聞こえなくなって静まり返った。
「おい、どこに行ったんだ?」
声をかけながらリビングダイニングを見回す。
キッチンを荒らされるわけにはいかないので、真っ先に調べた。
しかし、どこにも猫の姿はない。
10匹もの猫たちが飛び出してきたはずなのに、1匹も見つけられないのだ。
「どこだ? どこに行った?」
クニヒコはドアが閉まっているトイレや風呂場も確認してまわった。
それでも猫はいない。
「どうなってんだ?」
確かに見たはずの猫が一匹残らずいなくなり、玄関先に呆然と立ち尽くす。
その時玄関が開いて母親が買い物から帰ってきた。
「そんなところに突っ立ってなにしてるの?」
「お母さん、今、猫見なかった?」
「猫? 見なかったわよ? 猫がどうかしたの?」
その質問に答えられず、クニヒコはしばらくその場に立ち尽くしたままだったのだった。
その瞬間10匹ほどの猫が勢いよく押入れの中から飛び出してきたのだ。
「うわぁ!」
驚いてその場に尻もちをついたクニヒコの横を、猫たちが走り抜けていく。
「ちょっと待って、どこに行くんだよ!」
部屋の中を荒らされては困ると、どうにか立ち上がって猫たちの後を追いかけた。
しかし部屋を出た途端、猫たちの鳴き声は聞こえなくなって静まり返った。
「おい、どこに行ったんだ?」
声をかけながらリビングダイニングを見回す。
キッチンを荒らされるわけにはいかないので、真っ先に調べた。
しかし、どこにも猫の姿はない。
10匹もの猫たちが飛び出してきたはずなのに、1匹も見つけられないのだ。
「どこだ? どこに行った?」
クニヒコはドアが閉まっているトイレや風呂場も確認してまわった。
それでも猫はいない。
「どうなってんだ?」
確かに見たはずの猫が一匹残らずいなくなり、玄関先に呆然と立ち尽くす。
その時玄関が開いて母親が買い物から帰ってきた。
「そんなところに突っ立ってなにしてるの?」
「お母さん、今、猫見なかった?」
「猫? 見なかったわよ? 猫がどうかしたの?」
その質問に答えられず、クニヒコはしばらくその場に立ち尽くしたままだったのだった。



