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「それで、あの信号機のあたりに小さな水たまりがあったんだ。だけどそれは俺たちの身長よりもずーっと深くて、底なし沼になっていたんだ」
次の登校日、さっそく自分が見たことをクラスメートに話してきかせていた。
いつものようにクラスの真ん中の机に座って、周りには沢山の生徒たちが集まってきてクニヒコの話を聞いていた。
「おいどうしたんだよみんな。クニヒコの話しは受験には役立たないってことになっただろう?」
教室に入って来た男子生徒がその光景を見て言う。
「そうだけど、でもこの街の歴史についてだから面白いんだよ」
「それ本当のことかよ? クニヒコは嘘つきだからなぁ」
そう言って笑い出す。
ミサイルの展示についてからかってきた、あの生徒だ。
「今度は本当だよ。調べればわかると思うよ」
クニヒコは自信満々に言い切った。
なにせ自分の目で見てきているのだ。
運動靴の中に染み込んできた水の感触だってまた残っている。
「なんだよ自信満々だな。よし、じゃあ俺が本当かどうか調べてきてやるよ! でももし違ったら、お前はただの嘘つきだからな!」
そう言って教室を出ていく男子生徒を、クニヒコは余裕の表情を見送ったのだった。
「それで、あの信号機のあたりに小さな水たまりがあったんだ。だけどそれは俺たちの身長よりもずーっと深くて、底なし沼になっていたんだ」
次の登校日、さっそく自分が見たことをクラスメートに話してきかせていた。
いつものようにクラスの真ん中の机に座って、周りには沢山の生徒たちが集まってきてクニヒコの話を聞いていた。
「おいどうしたんだよみんな。クニヒコの話しは受験には役立たないってことになっただろう?」
教室に入って来た男子生徒がその光景を見て言う。
「そうだけど、でもこの街の歴史についてだから面白いんだよ」
「それ本当のことかよ? クニヒコは嘘つきだからなぁ」
そう言って笑い出す。
ミサイルの展示についてからかってきた、あの生徒だ。
「今度は本当だよ。調べればわかると思うよ」
クニヒコは自信満々に言い切った。
なにせ自分の目で見てきているのだ。
運動靴の中に染み込んできた水の感触だってまた残っている。
「なんだよ自信満々だな。よし、じゃあ俺が本当かどうか調べてきてやるよ! でももし違ったら、お前はただの嘘つきだからな!」
そう言って教室を出ていく男子生徒を、クニヒコは余裕の表情を見送ったのだった。



