恐怖学園の3年生たちは受験シーズンということでピリピリとした雰囲気が漂う教室内にいた。


「だから、大きく分けて古代、中世、近世、近代、現代に分けることがえきるんだ」


3年C組の教室内からそんな声が聞こえ漏れてくる。


覗き込んでみると1人の男子生徒が教室の真ん中の机に座り、その周りにクラスメートたちが集まっていた。


「すごい、やっぱりクニヒコ君は歴史に詳しいね!」


尊敬の眼差しを向けたのは長い髪をポニーテールにした女子生徒、ハルカだった。


ハルカは学年でも1番の美人と言われていて、クニヒコの頬は自然と赤く染まる。


「飯田は歴史博士だからなぁ」


腕組みをして感心したように横から声をかけたのはC組の担任教師だ。


歴史を担当科目としていて、貫禄のある男性だった。


みんなから褒められたクニヒコは頬を赤らめて微笑む。


歴史はクニヒコの得意科目で誰にも負けない自信があった。


こうしてクラスのみんなの前で知識を披露することだって初めてじゃない。


そのたびにみんなクニヒコをすごいすごいと褒めてくれるので、クニヒコは夢中になって歴史の知識を深めて行った。


「クニヒコくん」


みんながそれぞれの席へ戻っていった時、ハルカだけがその場に残ってクニヒコに声をかけてきた。