闇夜ヨルの恐怖記録2

☆☆☆

ボードゲームを前にしてマサシは不機嫌そうにマユを寄せていた。


周りにいるのは泣きはらした顔のノリコとチナ。


そして怒った顔のヒデアキとタカヒロの4人だ。


このメンバーでゲームをしても、もう面白くはなかった。


あたりのマスは3つ。


そして3人分の才能を奪ってしまっているから、後は普通にゴールをして終わるだけなのだ。


他の4人はまだあたりのマスに止まる可能性が残っているので、本当に奪い返されてしまうかもしれない。


「このゲーム、最初からやろうか」


ジャンケンする直前でマサシがそんなことを言い出して他の4人は目を見交わせた。


「それは不公平だよ。ちゃんと最後までゲームを終わらせてからやらなくちゃ」


そう言ったのはノリコだ。


いつもはもっと堂々と発言するノリコが、今はリーダシップを奪われているので、時々言葉をつまらせた。


それでも一生懸命喋ろうとしているから、なんだか痛々しく見えてしまう。


苦手なことを無理してやろうとするからだと、マサシは内心鼻で笑った。


「意見を言うことが苦手なヤツは黙ってろよ」


マサシはそう言い放つとみんなのコマを勝手にスタート位置まで戻してしまった。