先生からの返事を待つこともなく、教卓へ向かう。


「俺が代わるから、保健室に行ってこいよ」


そう声をかけるとノリコは一瞬マサシを睨みつけてから、逃げるように教室を出ていってしまった。


教卓の前に立ったマサシは背筋を伸ばしてクラスメートたちを見つめた。


少し高い教卓の上からみんなを見ると、まるで自分が偉い人間にでもなったような気分だった。


「では、クラス会をはじめます」


マサシはよどみなくそう言ったのだった。