【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉



 伊藤綾香……。一体どんな人なのだろうか。
 そんなことを思いながら捜査を続けていた時、伊藤綾香についての情報が出てきた。

「笹野、伊藤綾香が見つかったぞ」

「え、本当ですか?」 

 わたしは小野田課長にそう聞き返した。

「話によると伊藤綾香は、駅前のキャバクラで働いているらしい。クラブ・スペードという名前の店だ」

「クラブ・スペードですね。 分かりました。行ってきます」

 わたしは早速、伊藤綾香が働くクラブ・スペードへと向かったのだった。 

「いらっしゃいませ。お一人様でしょうか?」

 店の入口で、ボーイらしき背の高い男がわたしに話しかけてきた。  

「いえ、わたしは客ではありません。……わたしは、警察です」

 警察手帳を見せたわたしは、そのボーイにすぐに伊藤綾香がどこにいるかを問いかけた。

「花蓮(かれん)でしたら、あちらです」

「花蓮?」 

 指差された方に視線を向けたわたし。 どうやら花蓮というのは、伊藤綾香の源氏名らしい。

「ちょっと伊藤綾香さんに、お聞きしたいことがあるのですが」

「……少々、お待ちくださいませ」