伊藤綾香……。一体どんな人なのだろうか。
そんなことを思いながら捜査を続けていた時、伊藤綾香についての情報が出てきた。
「笹野、伊藤綾香が見つかったぞ」
「え、本当ですか?」
わたしは小野田課長にそう聞き返した。
「話によると伊藤綾香は、駅前のキャバクラで働いているらしい。クラブ・スペードという名前の店だ」
「クラブ・スペードですね。 分かりました。行ってきます」
わたしは早速、伊藤綾香が働くクラブ・スペードへと向かったのだった。
「いらっしゃいませ。お一人様でしょうか?」
店の入口で、ボーイらしき背の高い男がわたしに話しかけてきた。
「いえ、わたしは客ではありません。……わたしは、警察です」
警察手帳を見せたわたしは、そのボーイにすぐに伊藤綾香がどこにいるかを問いかけた。
「花蓮(かれん)でしたら、あちらです」
「花蓮?」
指差された方に視線を向けたわたし。 どうやら花蓮というのは、伊藤綾香の源氏名らしい。
「ちょっと伊藤綾香さんに、お聞きしたいことがあるのですが」
「……少々、お待ちくださいませ」



