「すみません。警察なんですが……」
「警察?」
「ちょっと中山和美さんのことで、お伺いしたいことがありまして……。お話、聞かせてもらってもよろしいですか?」
わたしは中山和美の言っていた友人である、荻野(おぎの)鏡子(きょうこ)の自宅に向かい、話を伺うことにしたのだった。
「どうぞ。……あの、和美のことで聞きたいことって何でしょうか?」
荻野鏡子はわたしの目の前に、お茶の入ったグラスを置きながらそう問いかけてきた。
「実は一昨日の夜、中山和美さんの交際相手の奥野陵(おくのりょう)さんが何者かに殺害されるという事件が発生しまして……。それで死亡推定時刻の21時から23時の時間帯に、あなたが和美さんとホストクラブに行っていたという証言を、和美さんから聞きまして。その確認に参りました」
わたしはそう言うと、荻野鏡子は「和美の彼氏のことなら、ニュースで見て驚きました。……まさか殺されるなんて、思ってもいませんでした」と話した。
「その時間、あなたが中山さんと一緒にいたというのは、本当ですか?」
「本当ですよ?ずっと一緒にいました。 間違いありません」



