中山和美はそう言うと、大きくあくびをして「刑事さん、もういいでしょ? わたし、殺したりなんてしてないんだし」と再び言葉を発した。
「……分かりました。今日はもう帰ってもらって、結構です」
「ありがとう、刑事さん」
中山和美は席を立つと、そのまま取調室から出て行った。
調書を終えたわたしは、一旦強行犯係へと戻った。
「お疲れ様です」
「どうだった、笹野? 中山和美は、何か自供したか?」
小野田課長からそう聞かれたわたしは「いえ、彼女は容疑を否認しています。 しかもその日は友人とホストクラブに行っていて、自分にはアリバイがあるとも証言しています」と答えた。
「ホストクラブ?」
「はい。クラブ、シャイニームーンというホストクラブに、友人と一緒に行っていたと言っていました。その友人に聞けば、アリバイが分かると」
わたしがそう言うと、小野田課長は「そうか……。中山は白なのか?」と呟いた。
「まだ分かりません。 今からその友人の所に、話を聞きに行ってきます」
「頼んだぞ、笹野」
「はい。 行ってきます」
わたしは荷物を持ち、再び捜査に出た。



