自白したのに、どうして自分はやってないなんて……。
「その事件の裁判が、3日後に行われるらしい」
日向はそう言うと、ビールを飲み干した。
「……そう、なんだ」
「ああ。その裁判、一課長も傍聴しに行くらしい」
わたしはその言葉に「え、一課長が……?」と問いかけた。
「ああ。何でも一課長があの事件の時、犯人の取調をしたらしいんだ」
「一課長が……?」
あの事件はとても悲惨なものだった。何の罪のない人があんなことになって、若い人の命まで奪われたのだから……。
あの事件の遺族は、犯人である三井真斗(みついまなと)を死刑にしてくれと、警察に直接講義をしてきたらしい。 そのくらい犯人を憎んでいるのだと、遺族は言っていたらしい。
「三井は取調では全てを自白した。殺人の動機はムシャクシャしていて、殺すのは誰でも良かった。そう言っていたそうだ」
日向はそう言った後、少し複雑そうな顔をしていた。
「話によると三井の弁護士側は、三井には精神疾患があったと言っていた。事件当日も精神が安定してなかったために、精神のバランスが崩れ、我を失い事件を起こしてしまったのだと言っているらしい」



