容疑者を追いかける日向に先回りして、わたしも挟み撃ちするするために反対側に回り込んだ。
「はいはい。もう逃げられないよ?」
「うおっ……!? マジかよ!」
容疑者は慌てて違う方向に逃げようとするも、わたしはその腕を掴んで引き寄せた。
「だーかーら……。逃げられないって、言ってるでしょ!」
わたしはその腕を掴んだまま、地面に押し付けて手錠をかけた。
「16時52分。はい、殺人容疑で現行犯逮捕します。 さ、署まで来てもらいます」
「クッソッ……。何なんだよ」
「つべこべ言わないの」
手錠をかけたままの容疑者をパトカーに乗せたわたしは、そのまま署に連れて行った。
取り調べを担当するのは、門野さんだ。門野さんは取り調べをするのが一番うまい人だと言われている。
「お前、なんで逃げた?」
「なんでって……メールで呼び出されて行ったら、目の前でアイツが死んでたんだよ! それで怖くなって……」
わたしは取り調べ室のマジックミラーから、ほの取り調べの様子を見ていた。
「だからって逃げることないだろ? お前はやってないんだよな?」



