事件の真相が見えて、終わりを告げても……。心に残るのは、やるせない気持ちだけ。
 日向の言うとおりだ。……警察だって人間だ。苦しみや悲しみを乗り越えられない時だって、きっとあるのだろう……。

「日向、なんか美味しいもの食べに行かない?」

「え?」
 
「ね、食べに行こ? お腹を満たして、次の事件に備えないと」

 わたしは日向の腕を引っ張ると、そのまま歩みだす。

「そうだな。食べに行くか」

「そうだよ、行こう」

 わたしたちはお互いにしっかり手を握り、再びその道を歩き出した。









 それから一年ほどが経ち、わたしたちはついに同棲することになった。
 一緒に住むことになってからは、お互い時間が進むのが早くてあっという間だった。
 だけどとても楽しい日々を過ごしている。日向とは何でも分かり合えるような気がして、一緒にいても気を遣わなくていいから楽だ。 

 時にはケンカもするし、言い合いもするけど……。やっぱりわたしたちは、お互いのことを思っているんだなって思った。
 好きな人と一緒にいられる幸せって、本当に最高の神様からの贈り物なんだと感じる。