そう言うだけなのに、妙に緊張してしまって……。

「つぼみ……。好きだ」

 そう言って唇を重ねてくる日向。わたしはその瞬間に、無意識に目を閉じていた……。

「俺と付き合ってほしい。……結婚を前提に」

 そう言われた瞬間に涙が溢れ出てしまって、うまく答えられなかった。
 だけどその代わりに、わたしは大きく頷いていた……。

「……泣くな。つぼみに涙は、似合わない」

 涙を服の袖で拭ってくれた日向は、わたしの頬を優しく包み込むように撫でてくれた。

「日向……。好きっ……」

 ずっと好きだった、日向のこと。 あの日からずっと……。わたしの頭の片隅には、いつも日向がいた。
 忘れることなんて、出来なかった。……後悔していた。想いを告げることが出来なかったこと。
 いつか言えたらいいのに、って思ってた。……けど、やっぱりわたしは、日向じゃないとダメなんだ……。

「俺がお前を守ってやる。……何があっても、守ってやるから。死ぬ気でな」

「……お願いだから、死なないで」

「お前も、俺より先に死ぬんじゃねぇぞ。……約束だ」

「……うん。分かった」