「……やっぱり、自殺、ですね」

「そうだな。……自殺で、間違いないな」

「……はい」

 そし色々と調べた結果、やはり自殺だったという結論に至った。

「帰るぞ、笹野」

「……はい」

 わたしはずっと考えていた。どうして自殺をしなければならなかったのか。……どうして、死ななければならなかったのか。
 いくら考えても、その答えはわからなかった。

「笹野、どうした?」

 捜査を終えたその帰り道、門野さんはわたしの顔を見ていた。
  
「……いえ。何でもないです」

 そうだ、刑事なんてこんなものだ……。所詮は刑事なんて、そんなものなんだ……。

「笹野、辛いか?」

 そしてそんなわたしに、門野さんは一言だけそう言った。
 
「……すみません」
 
「謝ることはない。……刑事だって、人間だ」

 門野さんのその一言は、わたしの心を軽くしてくれた気がした。

「門野さん……」

 門野さんは、どうしてこんなに優しいのだろう……。どうしてこんなに、温かいのだろう……。

「笹野、お前は強くなる。これからもっともっと、強くなる」

「……ありがとうございます」

 私は角野さんの優しさに触れた。