「なんだよ日向。笹野と知り合いなのか?」

「知り合いっていうか……。警察学校時代の同期ですよ」

「そうなのか?」

「はい。……まさか、また会えるとは」

 そのまさかだ。まさかわたしの念願の捜査一課に、日向がいるとは想像もしてなかった……。
 そして顔を見た瞬間に、その恋心が思い出されたような気がした。

「へぇ、そうなのか。同期だったのか」

「はい」

「……よ、よろしくね。日向」

「こちらこそ」
 
 わたしは日向と、握手を交した。その手の温もりが、懐かしく感じた。 
 そしてわたしは、日向と再会したその日から、あの時の恋心が蘇っているような気がしていた。




✱ ✱ ✱ ✱



「おい、待て!」

 捜査第一課における強行犯捜査の業務は、殺人、放火、強盗、強制性交等、強制わいせつ、誘拐、立てこもり等の凶悪犯罪の捜査を担当することだ。
 特にわたしは、殺人、死体遺棄、傷害致死等の事件を捜査する【強行犯係】にいる。
 殺人なんて本当は起こってほしくないけど……。なぜか起こってしまうのだ。

「見つけた! 逃さないわよっ……!」
 
「うおっ!?」