「では続いて強行犯係、笹野!」

 名前を一課長から呼ばれたわたしは、「はい!」と返事をして立ち上がった。

「強行犯係、笹野と申します。よろしくお願いします!」

 と元気よく挨拶を済ませる。そしてその後すぐに、「笹野、分かったことを教えてくれ」と一課長から告げられた。

「はい。 まず被害者の男性ですが、被害者は以前から詐欺事件を起こしていたものと思われます」

「詐欺事件?」

 そう問いかけられたわたしは「はい。事件現場から近くのマンションに聞き込みをした所、被害者と接触したと思われる女性に話を聞けました。 その女性は半年前、訪ねてきた営業マンが被害者だと話してくれました」と話をした。

「それで?」

「その時に名刺を渡されたそうなのですが……。こちらで調べた所、その名刺は全て偽名。そこに書かれていた住所も会社名も、全部デタラメだということが判明しました。 現在、同様の詐欺事件の被害者がいないかを徹底して調べています。……強行犯係からは、以上です」

 わたしはそう言うと、そのまま席に座った。

「なるほど……分かった。 そっちは強行犯係に任せたぞ」