「笹野、お前日向のこと好きなのか？」
「へっ！？」
な、な、なんでそんなことを……！
「なんだ。やっぱりそうなのか？」
「い、いえっ……！そのっ……。昔は、好きでしたけど」
そう答えたわたしに、門野さんは「なんだ。今も好きなんじゃないのか？」と聞いてきた。
「いえ、あの……」
わたし、好きなのかな……？日向のこと。よく分からないけど……。
「言っておくけど日向のヤツ、お前に会えたのがよっぽど嬉しかったらしいぞ？」
「え？」
日向が……？ それは知らなかった……。
「日向言ってたぞ？笹野が他に付き合ってる人、いなかったらいいなって」
「日向が、ですか……？」
意外……。日向がそんなことを言うなんて……。想像もしてなかった。
「ああ。日向はなんだかんだ、お前のこと気にしてるしな？ よっぽど好きなんじゃね？」
「す、す、すっ……！ 好きっ、ですか……！？」
門野さん、なんてことを……！ またわたしをからかってる……？
「笹野、何をそんなに慌ててるんだ？」
「だ、だって！ か、門野さんが、す、好きとか……言うからですっ」
