と、わたしは主犯格の小宮山に伝えた。

「さ、残るはあなただけよ! 大人しくナイフを捨てて降参しなさい」

「うるせぇ! 俺は捕まらねぇ!」

 小宮山はわたしに向かってそのナイフを突き出してきた。
 
「言ったでしょ?あなたはもう逃げられないって」

 そして向かってくる小宮山からナイフを奪い、その手を掴んだ。

「いって!離せよ……!」

「小宮山大輝、11時45分。詐欺事件の容疑で緊急逮捕します」

 わたしは小宮山の両手に手錠をかけた。

「つぼみ、待たせた!」

「遅い日向! 今小宮山、逮捕した」

「了解。 こちら上林、主犯格の男を逮捕しました」

 無線を入れてもらい、わたしたちはやってきたパトカーに小宮山を乗せた。

「行ってください」

「はい。ご苦労様でした」

 パトカーを見届けた後、わたしは「こちら笹野。今から署に戻ります」と無線で伝えた。

「お疲れ、つぼみ」

「お疲れ」

 とりあえず小宮山も逮捕したし、後は高野さんたちに任せよう。

「わたしたちも戻ろっか」

「そうだな」
 
 わたしたちは今日も、市民の安全を守るために事件を追う。



【番外編完結】