「だって、日向。よかったね」

 とわたしが言うと「違うよ。お姉さんのことだよ」と言われた。

「だってよ、つぼみ」

「……え?」

 わたし……?

「お姉さんが犯人の前に立って、わたしたちを必死で逃がしてくれた時……。すごくかっこよかったです」

「うん。あの時の真剣な目、すごくかっこよかったよね」

「え、本当に……?」

 わたし……。かっこよかった?

「うん。……お姉さんがわたしたちを助けてくれたから、わたしたちはこうして無事に生きてるし」

「本当に、ありがとうございました」

「お姉さんには、感謝してます。 ありがとうございました」

 その言葉を受けたわたしは、あまりにもビックリして、そして嬉しくて。……思わず、涙が流れた。

「お姉さんは、わたしたちにとって最高の刑事さんだよ!」

「うん。わたしたちの憧れ! ヒーロー!」

「お姉さん、最高!」

 そう言って笑う女子高生たちに、わたしは元気が出た。

「……ありがとう、みんな」

「お姉さん、これからもわたしたちのヒーローでいてね!」

「じゃあね!お姉さん!」

「またね、お姉さん!」