「すみません……。ご心配とご迷惑をおかけしてしまって」

「本当だ。笹野に何かあったら、責任を取るのは俺なんだぞ」

 そう言われたら、何にも言い返せない……。

「本当にすみません……」

「でも、よくやった」

「……え?」

 今、【よくやった】って言った……? え、褒めてくれたの?

「ただし、もう無茶はするなよ」

「……は、はいっ!」

 まさかの、褒めてくれた……。

「よかったな、笹野。体張った甲斐があったな」

「はいっ!」

 あまりこういう世界だと、褒めてもらえるのも少ない。……だけどわたしは、褒めてもらえたのが嬉しくて、思わず笑みが出た。

「つぼみ!」

「……日向?」

「大丈夫か?ケガは?」

「わたしなら、大丈夫」

 近寄ってきた日向に、わたしはそう答えた。

「そっか。よかった」

「日向、女子高生たちは?」

 と、門野さんが日向に問いかける。

「女子高生たちは全員無事です。多少のケガはありますが、命に別状はなさそうです」

 と、日向は真剣な顔つきで答えていた。 その顔を見て、わたしは少しキュンとしてしまった。