運良く紐が解けたわたしは、逃げる犯人の腕を掴んだ。

「離せ!俺に触れるな!」

「もう逃さないわ。わたしに銃を向けたこと、後悔しなさい!」
 
 そしてその引き寄せた体を地面に押し付ける。

「ゔっ……! いてぇ……!!」

 その様子を見ていた高野さんが、わたしに「笹野、ほら!手錠だ!」と手錠をわたしに向かって投げた。

「ありがとうございます! 小川正義(まさよし)17時38分。拉致監禁および銃刀法違反、公務執行妨害の容疑で現行犯逮捕……!」

 そしてわたしはその犯人の一人の両手に、素早く手錠をかけた。

「クッソッ……!」

「いい?あなたの罪は重いわよ。そう簡単に出て来れると思わないで。……あなたは仲間を見殺しにして、警察官を殺そうとまでしたの。あなたには、それ相当の罪が課せられるわ」

「うるせぇ……!」

 抵抗する小川を他の捜査員に引き渡したわたしは「お願いします」と伝え、連行させた。

「門野さん、山田は……」

 さっき高野さんが撃った銃で出血したもう一人の仲間、山田は意識を失っているようであった。
 ……だけど手遅れのようだった。

「……そうですか」