マイクを切ったわたしに、日向は「つぼみ、見失うなよ」と言ってきた。

「分かってる。……絶対に、逃さない」

 早く犯人たちを捕まえて、日向と素敵なクリスマスを過ごしてやるんだから。……日向と、最高のクリスマスを。
 だからこの拉致誘拐事件を早く解決して、日向と最高のクリスマスを過ごしてやる。絶対に。

 そして車を走らせて数分後ーーー

「つぼみ、あそこに止まったぞ」

「了解」

 逃走車両を止めたすぐ後に、わたしたちは車を止めて様子を見計らった。

「……あれが女子高生か」

「間違いないね。……こちら笹野。逃走車両に乗った女子高生を確認しました」

「了解。応援があと5分で到着する。そこで待機してくれ」

 アナウンスをしたわたしに、小野田課長がそう言ってきた。

「了解しました」

 車から降りてきたのは、女子高生と主犯格とその仲間三人だった。

「間違いないね。……目撃情報と同じ、三人組だね」

 犯人たちは三人組だという目撃情報があったが、その情報に間違いないようだ。

「応援が到着したら、みんなで中に入るぞ」
 
「分かった」