【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉



 わたしは葉山の人質に取られ、後ろからこめかみに向かって拳銃を向けられる。……いつになってもこういう状況ってドキドキするし、そして緊張する。
 自分を人質に取られてる以上、警察は今何も出来ない。……今葉山を落ち着かせられるのは、わたししかいない。
 だけど下手なことをすると、葉山はまた引き金を引いてしまうかもしれない。……そしたら今度こそ、わたしは撃たれる可能性が高い。
 
「……葉山さん、こんなことはやめてください。あなたはもう、逃げられない」

「うるせぇ。 今度喋ったら、本当に撃つぞ」

「……っ」

 やっぱり今、何も出来ない……。わたしはいつもそうだ。
 刑事とはいえ、わたしは女だ。女だから、甘く見られることも多い。 現にこうして、人質に取られている訳だし……。

「葉山、取引をしよう」

 そして少しの沈黙の後、高野さんがそう言い出した。

「取引?」

「ああ。お前の要求を聞いてやる。 だからその女性を開放してくれないか?」

 落ち着いた声でそう話す高野さんに、葉山は少し黙ってこう言った。

「そんな手には乗らねぇぞ!コイツは人質だからな。開放はしない」