「ここですね。被害者の家」
「ああ。行くか」
「はい」
わたしと高野さんは、被害者の家のインターホンを鳴らした。
「はい……?」
「突然すみません。 わたしたち警察の者なんですが……。少しお話、聞かせていただいてもよろしいでしょうか?」
「……少々、お待ちください」
玄関のドアをそっと開けたのは、被害者の家族である母親であった。母親の顔は少しやつれているのか、顔色があまり良くないようにも見えた。
「……どうぞ」
「失礼します」
わたしと高野さんは中に入ると、家族が住んでいるであろうリビングに通された。
「今お茶、淹れますので……」
という母親に、高野さんは渋い声で「すぐに帰りますので、お構いなく」と伝えた。
「適当に、座っていてください」
「ありがとうございます」
わたしたちはリビングにあるソファに、腰掛けた。そしてわたしはふと、被害者が嬉しそうに笑っている中学生の時の写真を見つめた。
写真の中の被害者は、生き生きとした笑顔で母親と一緒に笑っていた。
「どうした、笹野?」
そう聞かれたわたしは「あ、いえ……」と答えた。



