「はい。日向の話だと、今夜が山場になるかも……だそうです」
「そうか……」
被害者が目を覚ましてくれれば、話を聞けるし、犯人だって突き止めることだって出来るかもしれない。……だけど意識がもし戻ったとしても、被害者がちゃんと話してくれるのかどうかなんて、分からない。
警察としては、何とかして事件を解決したい。けど、被害者の意識があのまま戻らなかったら……。話を聞く所か、この事件は迷宮入りしてしまう可能性だってあり得る。
「課長!今日向から連絡があって、今夜は日向、そのまま被害者のいる病院に泊まるそうです」
「そうか。分かった」
日向、今日は帰って来れない感じか……。まぁ、被害者が生きるか死ぬかの大事な時だし、仕方ない。
わたしたちはただ、被害者の意識が戻ることだけをただ祈るしか出来ない……。
「笹野、悪いんだが今から高野と一緒に、被害者の家族に話を聞いてきてくれないか?」
「家族ですね。分かりました」
「行くか、笹野」
「はい。行ってきます」
高野さんは三週間前に、別の警察署から異動してきた刑事で、階級は巡査部長だ。



