海と空の狭間で……

いつも通りにTシャツを見てしまう。


私が選んだのは千円にも満たない、黒いシンプルなTシャツ。


「お兄ちゃん!これでいい!!」
「て、ここ安いな……」


そう言ったお兄ちゃんの表情は困惑しているように見えた。


「私、ここのがいいの!」
「そっか。アスナ」
「ん?」
「ワンピースとか試着してみない?」


ワンピースなんて女の子らしい服は、私には似合わない__


「私じゃ、似合わないよ……」
「絶対似合う」