海と空の狭間で……

「いや、見てない」
「そうなんだ。
まだ、その辺に居ると思うよ!」


動揺を悟られないように、ニッコリと微笑む。


「本当にかすみちゃんと居たのか?」
「うん。そうだよ……」
「なら、いい__」


そういったものの、不機嫌なお兄ちゃん。


無言で家に帰る。


着替えを済ませ、ご飯作りの支度を始めた。


もしかして、お兄ちゃんは私が空と一緒に居たと思っているのだろうか。


沈黙が気まずい。