(うっ!)

 瞳に憐憫の情がありありと見えて、いたたまれない。

 アリシアは死んだんじゃないんです。
 実は死んだと思われているアリシアが私なんです。
 そう説明したい気もするけれど絶対に信じてもらえないし、余計な混乱を招くだけだから我慢する。

「そういうことなら、気分が明るくなるお洋服を選ぼうね。私に任せて」

 女性は胸に手を当ててそう言うと、店の奥へと消えてゆく。暫くすると、両腕に抱えきれないほどのお洋服を持って現れた。

 リボンが付いたワンピースや、チェックのスカート、フリルのブラウス……。

 次々に差し出される可愛いお洋服を順番に着てゆく。

「やっぱり似合っているわ。可愛いー。団長さんもそう思うでしょう?」
「ああ。可愛いな」

 服を変える度に、女性とイラリオさんが「可愛い、可愛い」って褒めてくれるからなんか照れる。