絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!

「ああ、ごめんね。お待たせしてしまった。今日はごゆっくりお過ごしください」

 にこりと笑ったロベルトさんは、私とイラリオさんに手を振ってその場を立ち去る。その後ろ姿を見送ってから、私はイラリオさんを見上げた。

「仲良しなんですね?」
「ああ。ロベルトは幼なじみなんだ。小さいときからの友人だ。俺がセローナ地区に来ることになったとき、多くの奴らが俺から離れていったが、あいつは自分からついてゆくと手を上げてくれた」
「元々はセローナ地区に住んでいなかったの?」
「俺は王都のチェキーナ出身だ」
「ふうん?」

 話を聞く限り、多分イラリオさんとロベルトさんは親友なのかな。でも、『セローナ地区に来ることになったとき、多くの奴らが俺から離れていった』っていうのはどういうことなのかな?
 よくわからないけれど、なんとなく聞きづらい。触れてはいけない何かがあるような気がした。