■ 第2話

 そして翌日 。
 私はイラリオさんの馬に同乗させてもらって一緒に町に買い物に向かった。イラリオさんの家には私の生活用品が殆どないので、必要なものを買いそろえないといけないのだ。

「お仕事は大丈夫なんですか?」

 もしかして私のせいで仕事を休んでいるのでは?と心配になり尋ねると、返事する代わりに頭を撫でられた。

「大丈夫、気にするな。連絡はした」

 後ろを向いて見上げると、にこりと笑いかけられた。
 イラリオさんがセローナ地区の聖騎士団で一番偉いようなので、休む休まないの決裁権限は彼自身にあるようだ。

 イラリオさんの屋敷はセローナの中心地にも近い閑静な住宅地にある。馬で五分もかからずに、辺りは賑やかな町並みが広がり始める。