「あ、いえっ。私も何も考えずに声をかけてしまってごめんなさい」
私は咄嗟に謝る。さっきの雰囲気を考えると、ピンと張り詰めた空気を突如壊すという場違いな行動をしたのは私のほうだった。すると、メアリと名乗った女性は首を振る。
「皆さん、聖女になりたいでしょう? だから、みんなライバルなのよ」
「ライバル?」
「そう。聖女は実質的に王族と同等の地位が与えられて、人々に敬われる。それに、聖女様が作る結界は聖女様の心の動きを反映すると言われているから、みんなが気を使って望んだことは大抵叶うわ」
メアリ様は周囲を見回し人がいないことを確認すると、私の耳元に口を寄せた。
「それこそ、王太子殿下の妻になりたいっていう望みだってね」
なるほど、と思った。ただの聖女選びかと思ったけれど、聖女となれば様々な副次的な恩恵があるということなのかな。
「メアリ様も聖女になりたいのですか?」
「わたくし? わたくしは、全然。どうせ違うもの」
「どうせ違う?」
「ええ。神聖力は聖獣の末裔といわれている王族が特に強いのはご存知?」
「ええ」
私は咄嗟に謝る。さっきの雰囲気を考えると、ピンと張り詰めた空気を突如壊すという場違いな行動をしたのは私のほうだった。すると、メアリと名乗った女性は首を振る。
「皆さん、聖女になりたいでしょう? だから、みんなライバルなのよ」
「ライバル?」
「そう。聖女は実質的に王族と同等の地位が与えられて、人々に敬われる。それに、聖女様が作る結界は聖女様の心の動きを反映すると言われているから、みんなが気を使って望んだことは大抵叶うわ」
メアリ様は周囲を見回し人がいないことを確認すると、私の耳元に口を寄せた。
「それこそ、王太子殿下の妻になりたいっていう望みだってね」
なるほど、と思った。ただの聖女選びかと思ったけれど、聖女となれば様々な副次的な恩恵があるということなのかな。
「メアリ様も聖女になりたいのですか?」
「わたくし? わたくしは、全然。どうせ違うもの」
「どうせ違う?」
「ええ。神聖力は聖獣の末裔といわれている王族が特に強いのはご存知?」
「ええ」



