「しかし、なぜこんなに神聖力の結界は弱くなってきているのでしょう? 以前は聖女が一度祈りを捧げれば数カ月は保つと言われていたのに」

 俺が漏らした疑問に、ヴィラム殿下で固い表情のままティーカップの液体を見つめる。

「私は疑問なのです。ルイーナは本当に──。いえ、何でもありません」

 ヴィラム殿下は口を噤むと、小さく首を振った。