絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!

 その数時間後、私はアルマ薬店にいた。
 持ち帰った世界樹の実はザグリーンに教えてもらった通り、細かく砕いて薬草に混ぜ込む。〝世界樹の実〟というからにはきっと木の実のようなものだろうと思っていたけれど、砕いた感覚もやっぱり石のようだ。もしこれを世界樹の実だと知らなかったら、薬に使おうなんて絶対に思わなかったと思う。

 カミラさんから分けてもらった薬草と世界樹の実を砕いた粉末を慎重に混ぜてゆく。
 ザグリーンは『作りながら、調合する者が神聖力を付与しなければならない』と言っていたけれど、やり方がわからないので『ブルノ様がよくなりますように』と願いを込めながら調合する。

「できたかな?」

 そうして出来上がったお薬をは、世界樹の実を思わせるような赤だった。
 私はそれを小瓶に移し替える。

 そーっと、慎重に。

 全部移し替え終わると私はその小瓶を鞄に大切にしまう。そして、早速イラリオさんと共にセローナ大聖堂へと向かった。

 ブルノ大司教は昨日と変わらぬ様子で眠り続けていた。主治医の先生によると、一度も意識を取り戻していないという。
 横たわっているブルノさんの上半身をイラリオさんが支えるように起こす。

「エリー」
「うん」

 私は鞄から小瓶を取り出す。