絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!

 ちょうどそのとき薬を求めに来た若い女性は、見慣れぬものに不思議そうに首を傾げる。

「これは、傷口をすぐに覆える応急グッズなんです。包帯で巻かなくても、これだけで手当てできます」
「へえ、面白いわね。試しにひとつ買ってみようかしら」
「はい。ありがとうございます!」

 その女性に一枚特製絆創膏を差し出す。ちなみに、価格は普通にテープとガーゼ、傷薬を買ったときとほとんど変わらない値段設定にしたので、かなりお求めやすくなっていると思う。

 その後もアルマ薬店を訪れる人みんな、カウンターの上に置かれた奇妙なものに目を惹かれる。目立つようにとカウンターに置いてくれたカミラさんの目論見は、見事成功したようだ。

「ああ、これ。使っているところを見ていいなって思っていたんだ」

 そう言ってくれたのは聖騎士団の若い聖騎士だった。なんでも、試作品を作る際に試しに何人かの団員さんに渡していた特製絆創膏を使っているところをたまたま見かけて、興味を持ってくれていたのだという。

「いただくよ。そうだな、五枚」
「はい、どうぞ」