「そういえば、最近傷薬の効き目がよくなったって部下達が話しているのを聞いたな。治りが格段に早くなったって。何か処方を変えたのか?」
「本当? 特に何も変えていないよ。カミラさんの処方も私が知っている処方も基本的には同じだもの」
「そうか」
イラリオさんは解せない顔をする。そのとき、寝そべっていたザクリーンが顔を上げた。
「それは、エリーが精霊の力を借りて薬を調合しているからだ。効き目が格段によくなる」
「え?」
私は驚いて、ザクリーンのほうを見た。
眠っていると思っていたけれど、目を瞑っているだけでしっかりと私達の会話は聞いていたらしい。
「精霊の力? どういうことだ?」
イラリオさんは怪訝な顔をする。
「えーっと……」
私は口ごもる。
──精霊達の姿がはっきりと見えること、そして会話ができることは誰にも言ってはいけない。
それは死んだお母さんと約束したことだ。もし教えれば、この力を利用しようと企む悪い人が寄ってくるかもしれないと言っていた。だから、これまで誰にも打ち明けたことはない。
「本当? 特に何も変えていないよ。カミラさんの処方も私が知っている処方も基本的には同じだもの」
「そうか」
イラリオさんは解せない顔をする。そのとき、寝そべっていたザクリーンが顔を上げた。
「それは、エリーが精霊の力を借りて薬を調合しているからだ。効き目が格段によくなる」
「え?」
私は驚いて、ザクリーンのほうを見た。
眠っていると思っていたけれど、目を瞑っているだけでしっかりと私達の会話は聞いていたらしい。
「精霊の力? どういうことだ?」
イラリオさんは怪訝な顔をする。
「えーっと……」
私は口ごもる。
──精霊達の姿がはっきりと見えること、そして会話ができることは誰にも言ってはいけない。
それは死んだお母さんと約束したことだ。もし教えれば、この力を利用しようと企む悪い人が寄ってくるかもしれないと言っていた。だから、これまで誰にも打ち明けたことはない。