その失礼な物言いに、さすがに怒りが湧いた。

「…………。身を粉にして精霊の森を守り続けているブルノ=サウセド大司教を愚弄するとは、貴君は俺に決闘を申し込む覚悟があるのか?」

 怒りを孕んだ俺の声に、へらへらとしていたその司教の表情が凍り付く。

(こんな一言で縮こまるなら、最初から喧嘩売ってくるんじゃねーよ)

 そう言ってやりたかったが、ぐっと堪えて我慢する。

「とにかく、現在はまだ捜索中です。見つかり次第報告します」
「頼みます。現聖女のマリアーナの力は日に日に衰えています。光臨の儀まで、あまり悠長にしていられる時間はありません」

 俺達のやり取りを静かに見守っていたメディスト大司教が口を開く。

「わかっています」

 俺はメディスト大司教に向かって、頷いて見せた。