「それじゃあ、真崎は?」


「真崎ねー。顔はいいよな」


「胸も合格点」


「確かに。

……ああ、でも。真崎先生が兄だからナシだ」


「そうだった。付き合っても、絶対先生が認めてくれねぇよ」



凍てつく風を肌身に感じながら、

用があって来てみれば男子バスケ部員の談笑が聞こえてきた。


好き勝手に言いやがって。



「ちょっといいかな?」


なるべく笑顔で、会話に割って入った。


しかし、その笑顔が逆効果だったみたい。


「ひっ……」


私の顔を見た瞬間、男子共の顔が強張った。


まるで幽霊……、いや、悪魔でも見たような。


「和奏、ちょっと話があるんだけど」


「え、俺……?」


和奏を呼び出して、去り際。



「今の話、真崎先生にさせてもらいます」



そう吐き捨てた。


ったく。しょうもない話して。

にしても、こういう時シスコン先生の名前って便利だな。