妹を溺愛する兄が先に結婚しました

ふわふわの髪と腕の間から時原の寝顔が見える。


なんか可愛い。


時原が目を瞑ってなかったら、こんなにジッと見ていられない。


今だけの特権。


どこでも誰といても時原は寝れそうだけど、それでも私の横で寝てくれるのが嬉しい。


私が時原に感じる心地良さを、同じように時原も感じてくれたらいいな。


なんてね。



……眠ったかな?


「時原」


「…………」


呼びかけても返事がない。


眠いって言ってたし、寝たよね。きっと。



その時、私の好奇心が疼いた。


気付いたら手を伸ばしていて、時原の頭に触れていた。


部活中とは思えないふわふわの髪。


汗掻かないのかな?


細くて指をすり抜ける。


撫でるように触れていた。