妹を溺愛する兄が先に結婚しました

渡せるかわからないけど、体育館へ向かう。


「40分から再開」


「「はいっ!」」


ちょうど休憩に入ったところだった。



体育館の入口からこっそり覗く。


脇で休憩するバスケ部員たちを見て気付いたけど、

……みんながいる中で渡すのムリゲーすぎない?


差し入れって言うと、なんで時原だけ?ってなるし。

この前のお礼って言っても、なんの話ってなって揶揄われそう。


何より、兄がいる前では渡せない。


一旦作戦を立てるために覗くの中止。


どうしよう。



そんな時だった。


「やっべー、忘れ物っ忘れ物っ!

……うわっ!ビックリした!

なんだ、真崎か。脅かすなよ」


和奏が駆け足で出てきた。


その声に驚く。