妹を溺愛する兄が先に結婚しました

「ど、どうして、時原が……」


「今、何時?」


私の言葉が届いていないのか、マイペースに問われた。


「今は12時48分だけど」


「え、うそ。もうそんな時間」


確か男バスの練習は13時からのはず。


今から着替えてとなると、確実に遅刻。


なのに、全然焦っている様子がない。


「急がなくていいの?」


「うん、急ぐよ」


と言いつつも立ち上がる気配がない。



……それより、なんだろう。

寝起きのせいかいつもより声が甘く感じる。


「真崎は何してるの?」


「え?……ああ、勉強してから帰ろうかなって」


「そっか。頑張って」


ようやく時原は立ち上がって、荷物を持った。


「じゃあね」


「うん。時原も頑張って」


私がそう言うと、少しだけ笑みを見せて出ていった。