妹を溺愛する兄が先に結婚しました

いろいろな人と喋り、歌って、クリスマスパーティーを楽しむ。


一息吐こうと、最初に座っていた席に戻ると、何やらキャプテンと時原がコソコソ話していた。


そして、話を終えると、

時原がマフラーを巻いて部屋を出ていった。


え、えっ……。

帰るつもり?


面倒を見るよう言われた身としては、放っておけない。


私も後を追うように部屋を出た。



「うわっ!」


「わっ、ごめんなさい……、菅原先輩」


出てすぐ人にぶつかったかと思えば、相手は菅原先輩だった。


「結咲ちゃん。どうしたの?」


「あの、時原どこへ行きましたか?」


「時原?時原なら外へ出ていったよ」


「えぇ⁉……ありがとうございます」


お礼を言って、時原を追う。



あれから菅原先輩とは、普通の先輩と後輩に戻った。


すれ違ったら挨拶する程度。


お互い気まずくならなくて良かった。


……お兄ちゃんは納得してないみたいだけど。